「みちのくひとり旅」と、信用できない歌い手の問題

 一昨日は、根津・千駄木近辺で、「一箱古本市」に参加した。知り合いの方々が何人かいらっしゃってくれて、これまでにない売上げ高(でも、やっと各店舗の平均売上額をちょっとだけ上回ったくらい)。その売上げ金で宴会を楽しんだのは、いうまでもない。


 しかし、ワタシが出品した講談社版「世界名作全集」は、売れなかったなあ。1950年代に出た、著名な児童向けの叢書で、乱歩訳の『鉄仮面』とか、野村愛正訳の『モヒカン族の最後』が、破格の300円売りだったのに。

 宴会の席上では、例によって、楽しいミステリ無駄話に花が咲く。エラリー・クイーンの最後期の長篇から、「みちのくひとり旅」に話が飛び、この歌の詞の解釈で、口角泡を飛ばしての議論をするO女史とH氏。うーむ、これを「後期ヤマモト・ジョージ問題」と名づけるべきなのか。いや、「信用できない歌い手の問題」なのかもしれない。

 しかし、われわれの酒場の議論は、ハタから見たら、喧嘩をしているようにしか見えないらしい。まあ、多少の自覚はありますがね。