2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

死亡記事

ところで、翻訳家の菊池光氏がお亡くなりになったらしい。先日、ネットで浅羽莢子氏の死亡を知ったばかり。 菊池光の翻訳は、近年は首をかしげることが多かったが、それでも翻訳書の題名を見ていくと、ずいぶんとお世話になった方であるのはたしかである。冥…

カーター・ブラウンについて

ミステリマガジン11月号の「カーター・ブラウンの光と影」には驚くべきことが書かれていた。これはオーストラリアのミステリ研究家トニ・ジョンスン=ウッズの来日を記念して行われたインタヴューである。このインタヴューの後半に、トニ・ジョンスン=ウッ…

小説の評価軸

二階堂黎人のWebサイトの「恒星日記」で【本格評論の終焉】が終わった(ようだ)。 いや、楽しませてもらった。この日記を読んでると、なんだか自分が頭がいいように思えてくる。麻薬のようなもので、危険であるな。 内容を云々するのは、ばかばかしいのでや…

「ルパン」

いぜん、さるところで、ルパン話をしていた。宮崎ルパンがどうの、大塚ルパンがこうの、赤ルパン緑ルパンとぐだぐだ言っていたら、聞いていた方が、「それはルパンじゃなくて、ルパン三世でしょう? ちゃんと三世と言いなさい!」 おっしゃるとおりです。す…

「時をかける少女」

時をかける少女 [DVD]出版社/メーカー: PI,ASM/角川書店発売日: 2000/12/22メディア: DVD購入: 2人 クリック: 95回この商品を含むブログ (188件) を見る 話は戻るが、このまえの散歩会で、大林の「時をかける少女」は傑作だ、といったら、非難ゴウゴウだった…

屋根裏の散歩会

昨日は、月に一度の「屋根裏の散歩会」であった。月に一度、ミステリ好きの仲間が集まって、読書会のごときものをやったり、ミステリを中心にした無駄話に興じる会である。一種のオフ会か。(ネット普及前からこのようなことをやっているので、「例会」と称…

評論家の分類

いやあ、二階堂黎人のサイト「二階堂黎人の黒犬黒猫館」内の「恒星日誌」の本日の内容【本格評論の終焉(6)】はすごい。http://homepage1.nifty.com/NIKAIDOU/ 評論家の分類なのだが、これがただ一つの基準で分類されているのだ。なるほど、二階堂黎人にと…

『国語教科書の思想』石原千秋 ちくま新書

国語教科書の思想 (ちくま新書)作者: 石原千秋出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/10/04メディア: 新書購入: 6人 クリック: 42回この商品を含むブログ (101件) を見る 石原千秋は僕と同学年である。で、前から気になっている存在であった。以前、『秘伝 …

他のなにものでもない小説

ずっとミステリの分類ということを考えているのだが、いまだに結論は出ない。分類はあくまで便宜上のもので、これしかない、というような絶対的な分類法などない、というのは分かっていのだが…… 分類する、というのは世界観を明確にする、ということだとつく…

ハードボイルドな奴

H・C・ベイリーの『フォーチュン氏を呼べ』の解説(戸川安宣)を立ち読みで読んだが(いいのか?)、ハードボイルドへの言及はなかった。こうなると、ウィキペディアの記述の元ネタは不明である。どなたかご存知の方はいらっしゃるだろうか? さて、「ハー…

ハードボイルドとH・C・ベイリー

ネットの中でハードボイルドについての情報を得ようとすると、なかなか難しい。「本格ミステリ」系のサイトは、データベース的なものから本についての感想、名探偵の紹介まで、さまざまな情報が飛び交っているが、ハードボイルドとなると、あまり見つからな…

『浪漫疾風録』生島治郎 講談社

生島治郎が早川書房編集者時代の思い出を、小説仕立てに書いたもの。 じつはこの本は、単行本のとき新刊で買ったまま、ずっと積読状況だった。1993年からだから、13年間寝かせていたことになる。寝かせていたからといって、味がよくなるわけでもないが、もと…

『博士の愛した数式』小川洋子 新潮文庫

博士の愛した数式 (新潮文庫)作者: 小川洋子出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2005/11/26メディア: 文庫購入: 44人 クリック: 1,371回この商品を含むブログ (1054件) を見る 小説で話題になり、映画で話題になった作品。映画はすでにDVDがレンタル屋になら…

「キング・コング」

キング・コング 通常版 [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル発売日: 2006/05/25メディア: DVD クリック: 40回この商品を含むブログ (111件) を見る レンタル屋で、新作ランクから落ちたのを借りて見る。 島に着くまでの、わくわく感、なにか起こ…

スピレインの追記

マックス・アラン・コリンズがジェイムズ・L・トレイラーと書いたスピレインについての評論書 One Lonly Knight (1984) は題名が素晴らしい。読んでみたいが、僕は英語が駄目なのである。しかし、どんなにひっくりかえっても、これの邦訳は無理だよなあ。

『甦る昭和脇役名画館』鹿島茂 講談社

甦る昭和脇役名画館作者: 鹿島茂出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/11メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (26件) を見る 1970年代のプログラム・ピクチャーを、脇役を中心に語った本である。夏休みに吉祥寺の古本屋で買ったのをちびちび…

『裁くのは俺だ』ミッキー・スピレイン

ミッキー・スピレインが死んだのは7月17日のことだから、もう一ヶ月以上も前のことだ。アメリカでは知らず、日本では追悼企画のひとつもないようだ。先日発売のミステリマガジン10月号でも、死亡ニュース以外に追悼記事がなかったから、もうどこもやるところ…