2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

イギリス――1880年代/ファーガス・ヒューム

●イギリス――1880年代/ファーガス・ヒューム――「探偵小説」を書きまくった男 ファーガス・ヒュームが『二輪馬車の秘密』を書いた動機を自ら語った文章が、『ブラッディ・マーダー』に引用されている。 メルボルンで最大の書店の主人に、いちばんよく売れる書…

イギリス――1880年代

●イギリス――1880年代/綺譚の時代 イギリスではアメリカやロシアよりも遅れて、1880年代の前半にガボリオが、後半にはデュ・ボアゴベが翻訳紹介される。やはり人気を博したらしく、1885年には『ルルージュ事件』の剽窃版とされるチャールズ・ギボン (1843-18…

チェーホフの探偵小説

●ロシア――1880年代/チェーホフの探偵小説 アントン・チェーホフの探偵小説としては、短篇「安全マッチ」(1884)がよく知られている。この作品は英米では、前述のジュリアン・ホーソーンのアンソロジーや、ヴァン・ダインが1927年に編纂したアンソロジー Th…

チェーホフと「ロシアのガボリオ」

●ロシア――1880年代/チェーホフと「ロシアのガボリオ」 アントン・チェーホフ(1860-1904)は唯一の長篇小説『狩場の悲劇』(1884-1885連載)の中で、登場人物の新聞編集者にこう語らせた。 問題は、わが国の気の毒な読者たちが、もうとっくにガボリオーだの…

アメリカ――1880年代

■アメリカ――1880年代 アメリカでは1870年代からガボリオの作品が翻訳紹介され、その影響を受けて1878年にアンナ・カサリン・グリーンの作品が登場、人気を勝ち得た。アンナ・カサリン・グリーンに影響を与えたのは、ガボリオだけではない。上流階級の家庭悲…

アンナ・カサリン・グリーン(承前)

■アンナ・カサリン・グリーン――「探偵小説の母」(承前) アンナ・カサリン・グリーンの処女作『リーヴェンワース事件』(1878)は、どういう話なのか。簡単に紹介しておこう。 ニューヨークの富豪リーヴェンワース氏が深夜、自宅の書斎で殺された。彼は二人…

アンナ・カサリン・グリーン

■アンナ・カサリン・グリーン――「探偵小説の母」 再開します。

昨日のこと

昨日の屋根裏の散歩会、無事終了。