2006-01-01から1年間の記事一覧

昨日の忘年会

昨日は、はじめてコミケなるものに行った。もう人が引き始める午後にのぞいたので、それほど混んではいなかったが、まあ、たいへんな数の出店で、どこに何があるのやら、うろうろするばかり。探偵小説研究会のブースなどをのぞいて、SF・特撮のジャンルあ…

『ヴェサリウスの柩』

今年の鮎川哲也賞受賞作。読みました。 ヴェサリウスの柩作者: 麻見和史出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/09/30メディア: 単行本 クリック: 32回この商品を含むブログ (23件) を見る

ミステリマガジンの表紙

ミステリマガジン2007年一月号には、表紙が二種類ある。(正確には背表紙、表紙、目次が違っている)さるところの情報で知ってはいたのだが、現物を確認した。 変わっているのは表紙のデザインではなく、「特集」のあつかい。 ひとつは「追悼特集=ミッキー…

ポーにいたる道(4)

■■ポーにいたる道(4)/犯罪実話読物の系譜(承前)/ヴィドックの『回想録』 前回述べたように、英国の刑事の前身であるボウ・ストリート・ラナーズは、1820年代にはいくつかの著名な事件で手柄をたて、ある程度の社会的認知を得た。『リッチモンド』(182…

定義と分類、あるいはたったひとつの冴えたやりかた

例えば「緑」という色は、定義できるのだろうか。青色と黄色のグラディエーションのどこに線を引くいて「緑」とするかは、おおむね文化で、厳密には個人で、さまざまに変化する。したがって、全人類が納得する「緑」の定義は不可能である。 例えば「水素」と…

ポーまでの図解その1

こんなものを作ってみました。 しかし、うまく整理できんなあ。図解って難しい。

H・C・ベイリーとハードボイルド

ウィキペディアの「ハードボイルド」の項目に記載されていた「ハードボイルド的推理小説の先駆けといえるのはイギリスの作家H・C・ベイリーのレジナルド・フォーチュンシリーズであるといえる。」という説がどこから来たのか、疑問であったが、それがわかっ…

論創海外ミステリ

論創海外ミステリの11月新刊が届く。『戯曲アルセーヌ・ルパン』モーリス・ルブラン 『失われた時間』クリストファー・ブッシュの2冊。『戯曲アルセーヌ・ルパン』の住田忠久による解説と書誌は130ページもある!! これはスゴイ。次回配本はディクスン・カ…

『探偵小説と多元文化社会』

『探偵小説と多元文化社会』別府恵子編/英宝社1999年という本を読みかけ。 古い本だけど、19世紀のイギリスとアメリカの探偵小説の発生と発展がテーマになっている文が載っていたので、読んでみることにした。

ハードボイル道

小鷹信光の『私のハードボイルド』を購入。私のハードボイルド―固茹で玉子の戦後史作者: 小鷹信光出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/11/01メディア: 単行本 クリック: 10回この商品を含むブログ (25件) を見る

「裏切りの挽歌」

「GUN CRAZY Episode-2:裏切りの挽歌」をレンタル・ビデオ屋で借りてきて、昨夜みた。菊川怜主演のおねえちゃんガンアクション。GUN CRAZY Episode-2:裏切りの挽歌 デラックス版 [DVD]出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント発売日: 2004/06/25メデ…

ポーにいたる道(3)

■■ポーにいたる道(3)/犯罪実話読物の系譜 犯罪事件や犯罪者についての情報は、いつの時代にも人々の関心を惹きつける。現実の犯罪事件や実在の犯罪人をあつかった読物は、社会の矛盾を描くことだったり、政敵への非難だったり、大衆に犯罪の恐ろしさを訴…

「復讐の荒野」

「GUN CRAZY Episode-1:復讐の荒野」をレンタル・ビデオ屋で 借りてきて、昨夜みた。米倉涼子主演のおねえちゃんガンアクションもので、2本まとめて 劇場公開された作品の、片方みたい。だから、正味1時間の作品である。GUN CRAZY Episode-1:復讐の荒野 デ…

ポーにいたる道(2)

■■ポーにいたる道(2)/ゴシック・ロマンスについて ジュリアン・シモンズは『ブラッディ・マーダー』の中で、ポーについてこう言っている。 彼が生涯追いつづけたのは芸術の女神――その真の名は“センセーション”にほかならなかったのだ。(p58) ポーの作品…

歴史のお勉強

はじめてみると、いつまでたっても終わらない。『ケイレブ・ウィリアムズ』はなんとか読み終わったけど、ゴシック・ロマンスやら犯罪実話の系譜やらを確認しだすと、もう僕の手には負えなくなってきた。

土曜日のお買い物

休みの土曜日なので、医者に行って持病の薬をもらい、床屋に行って髪を切り、ブックオフでマンガ本を買い、図書館に行って先週借りていた北條文緒『ニューゲイト・ノヴェル――ある犯罪小説群』と巽孝之『E・A・ポウを読む』を返して、『ポーと雑誌文学』『…

『大学受験のための小説講義』石原千秋

とりあえず、メモだけ。 小説は実は形のない、得体の知れないものであって、僕たち読者はそれを「物語」に変形させて「小説を読んだ」気になっているのである。(中略) 「小説にはいくつもの可能性がびっしり詰まっているが、読者がそこから好みの物語を引…

二つの類別

あいかわらずの「定義」問題について。 二階堂黎人はミステリーを以下のように定義している。 《ミステリー》とは、《謎》の存在する小説の総称で、主として、《推理型の小説》と《捜査型の小説》を合わせたものである。 「謎」というのは、ほとんどあらゆる…

小説が読めない

最近、ほとんど、小説を読んでいない。 ここ2週間で読んだ小説は、『奇術師の密室』だけである。

ポーにいたる道(1)

ミステリー=探偵小説の歴史・発展史を、自分なりにもう一度敷衍してみようと考えたのだが、とてもじゃないが、数日じゃできない。今の僕の能力では数ヶ月でも無理だ。数年がかりで、ゆっくりと勉強しながら、まとめてみようと思う。

『本格ミステリーを語ろう!/海外篇』

『本格ミステリーを語ろう![海外篇]』芦辺拓・有栖川有栖・小森健太朗・二階堂黎人(原書房/1999)を今さらながらに図書館で借りてきて読んだ。 今さらながらに読んだ理由は、二階堂黎人関連の興味である。彼が「ポーから現代に至る本格ミステリーの歴史」…

『アキハバラ@DEEP』石田衣良 文藝春秋

アキハバラ@DEEP (文春文庫)作者: 石田衣良出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/09/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (180件) を見る上の情報は文庫版だが、僕は図書館で借りた2004年発売の単行本で読んだ。石田衣良は好き…

『書店風雲録』田口久美子

書店風雲録作者: 田口久美子出版社/メーカー: 本の雑誌社発売日: 2003/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (31件) を見る ちょっと古い本。図書館でかりた。 1970年代から90年代のリブロについて書かれた本である。 僕は東西線…

死亡記事

ところで、翻訳家の菊池光氏がお亡くなりになったらしい。先日、ネットで浅羽莢子氏の死亡を知ったばかり。 菊池光の翻訳は、近年は首をかしげることが多かったが、それでも翻訳書の題名を見ていくと、ずいぶんとお世話になった方であるのはたしかである。冥…

カーター・ブラウンについて

ミステリマガジン11月号の「カーター・ブラウンの光と影」には驚くべきことが書かれていた。これはオーストラリアのミステリ研究家トニ・ジョンスン=ウッズの来日を記念して行われたインタヴューである。このインタヴューの後半に、トニ・ジョンスン=ウッ…

小説の評価軸

二階堂黎人のWebサイトの「恒星日記」で【本格評論の終焉】が終わった(ようだ)。 いや、楽しませてもらった。この日記を読んでると、なんだか自分が頭がいいように思えてくる。麻薬のようなもので、危険であるな。 内容を云々するのは、ばかばかしいのでや…

「ルパン」

いぜん、さるところで、ルパン話をしていた。宮崎ルパンがどうの、大塚ルパンがこうの、赤ルパン緑ルパンとぐだぐだ言っていたら、聞いていた方が、「それはルパンじゃなくて、ルパン三世でしょう? ちゃんと三世と言いなさい!」 おっしゃるとおりです。す…

「時をかける少女」

時をかける少女 [DVD]出版社/メーカー: PI,ASM/角川書店発売日: 2000/12/22メディア: DVD購入: 2人 クリック: 95回この商品を含むブログ (188件) を見る 話は戻るが、このまえの散歩会で、大林の「時をかける少女」は傑作だ、といったら、非難ゴウゴウだった…

屋根裏の散歩会

昨日は、月に一度の「屋根裏の散歩会」であった。月に一度、ミステリ好きの仲間が集まって、読書会のごときものをやったり、ミステリを中心にした無駄話に興じる会である。一種のオフ会か。(ネット普及前からこのようなことをやっているので、「例会」と称…

評論家の分類

いやあ、二階堂黎人のサイト「二階堂黎人の黒犬黒猫館」内の「恒星日誌」の本日の内容【本格評論の終焉(6)】はすごい。http://homepage1.nifty.com/NIKAIDOU/ 評論家の分類なのだが、これがただ一つの基準で分類されているのだ。なるほど、二階堂黎人にと…