2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧
海外のミステリの類型分類(サブ・ジャンル分類)を見ていこう。
今回から数回にわたって、類型分類よるミステリ分類法について検討していくことにする。
ボアロー&ナルスジャックは、評論集『推理小説論』(1964)[紀伊国屋書店/現代文芸評論叢書]の中で、次のようにいう。
今回から、ミステリの具体的な分類法を検討していくことにする。二分法ではない、さまざまなミステリの分類について、これまでの例を参照しつつ、ミステリ全体を把握できるような分類方法を模索していこう。
「本格」という用語は、探偵小説とそれ以外の「探偵小説もどき」を区別するために生まれた。しかし、時代と共に本来の意味を逸脱し、あたかも探偵小説の一部の作風を指すかのように使われだしたのも、また事実である。今回は、それについて考察してみたい。
探偵小説のさまざまな二分法を検討することで、探偵小説に必要な基本要素が明らかになった。それは理知と扇情、捜査と推理、ゲーム性、写実性などである。そうした要素を含み持った探偵小説そのものが、本格探偵小説だった。「本格」という用語は、探偵小説…
探偵小説の二分法をさぐる四回目は、「本格」と「変格」である。本格探偵小説と変格探偵小説という分類法について検討しよう。まず、この言葉が歴史的にどう使用されてきたかを確認していくことにする。
数回にわたって、探偵小説を二つに分類する基準をさぐっているのだが、なぜ二分法なのか、ということを少し述べておこう。あるものを体系的に類別する場合、その論理的な分類(区分)には、以下の条件が必要だという。