『魔獣狩り』完結編を妄想する

夢枕獏魔獣狩り』がいよいよ完結する。発売予告が出ているので、間違いないだろう。作者が四半世紀以上にわたって書き続けているシリーズだが、読んでるこちらだって四半世紀以上、読み続けているのだ。なんとかしてくれないと、死に切れない。


さて、この完結編がどうなるか、愛読者たちのさまざまな想いがあるだろう。ぼくが妄想する完結編はこんなかんじである。

まず、空海=黒御所に九門鳳介と毒島獣太がサイコダイビングするのは間違いないだろう。どちらが先に潜るのか? ぼくとしては、九門鳳介に最初にダイブしてもらいたい。空海=黒御所に取り込まれそうになる九門鳳介を毒島が救出に向かうのである。その時の毒島の音楽はなんだろう。レット・イット・ビーはすでに使ってしまった。当方はクラシックには弱いので、思いつくのはベートーベンの第九ぐらいしかないが(これまで使われなかったっけ?)、夢枕獏のことだ、こちらの予想もつかないものを出してくれるだろう。その時、毒島の股間にはひるこがむしゃぶりついているだろうし、毒島は毒島で「いまだけはやめれ!」とかいいながらも、きっちりダイブはこなすと信じたい。

しかし、九門・毒島のタッグであってさえ、空海=黒御所の前に敗退しそうになる。このとき、おそらく屋久島のオヤジが助けにきてくれるはずだ。空海=黒御所と九門・毒島が互いに二重螺旋を描いて果てしなく昇っていくなか、屋久島のオヤジがそれを統合するのである。こうして空海=黒御所は鎮められ、腐鬼一族と空海の約定は決着がつくに違いない。

一方、有堂岳は「風子よう、風子よう」と叫びながら金剛拳が暴走をはじめ、それを鎮めるのは文成仙吉の力だ。腐鬼一族の梵とタッグを組むかもしれない。この時、鬼奈村典子は覚醒するのか? これに美空と猿翁がどうからむのか?

さらにさらに、白井狂風・白井完・氷室犬千代はどう出るのか? 夜血は? それよりなにより、毒島は御子神冴子に先っぽぐらい入れさせてもらえるのか? いやいや、北野涼子と文成仙吉だって幸せになってもらいたいのだ。やっぱり、佐久間玄斎は小田原で九門鳳介と夜血の帰りを待っているだろう。

こうして妄想は尽きないのである。本当に後2巻で決着がつくのか? 夢枕獏よ、こちらの予想を遥かに越えた結末を期待しているんだからね。