『PLAYBOY日本語版』を買ってくる

 ミステリー特集があったので、買ってみた。付録にプレイメイト・ヌード付の卓上カレンダーがついている。おまけに今月のプレイメイトは、なんとリンゼイ・ワグナー! エエッ、とのけぞったが、バイオニック・ジェミーとは同名異人でした。


 目玉は「日本ミステリー・ベスト100」。新保博久関口苑生日下三蔵大森望北上次郎の五人が座談会形式で、オールタイム・ベストを選出する企画だ。例によって北上次郎のハズしっぷりが楽しめる。新保博久に、「北上さんの辞書に「客観的」があるとは知らなかった(笑)」とからかわれるのがおかしい。まあ、冒険小説はミステリとは別枠にしたほうが、すっきりするだろう、と感じる。

 まあ、100冊に順位をつけるのは無茶苦茶で、だから、一位『明治断頭台』、二位『火車』、三位『マイナス・ゼロ』と挙げることに意味はない。決めた五人の方々は楽しかっただろうが、リストを読むほうではあまり楽しめる要素はない。なんで、コレよりアレの方が上なんだ、と怒ってみても野暮なハナシなのである。

 しかし、意外と言ってはナンだが、選出された100冊はけっこうまともで、渋ぶ好みの内容となっている。天藤真が『殺しへの招待』、都筑道夫が『なめくじに聞いてみろ』、鮎川哲也が『ペトロフ事件』という物議を醸し出そうな選択もあれば、戸川昌子は大衆文学館の『大いなる幻影猟人日記』、結城昌治は作品集2の『ゴメスの名はゴメス/暗い落日』という反則技もある。また、角田喜久雄『半九郎闇日記』、五木寛之『裸の町』、藤原審爾『赤い殺意』、柴田錬三郎『赤い影法師』といった、あまり取り上げられない作品があるのも興をそそる。

 このほか、PLAYBOYミステリー大賞(第一回)というのがあって、大森望(ですぎ!)、香山二三郎杉江松恋の三人が今年の内外のミステリからベスト10を選んでいる。国内ベストは伊藤計劃虐殺器官』、海外はヘニング・マイケル『目くらましの道』。どちらも、まるで目をつけてなかった作品だよ。毎年続けるのだろうか? 少なくとも5年は続けないと、味わいは出てこないよなあ。

 で、もうひとつが小鷹信光が選ぶハードボイルド小説10選。順位はなくて、以下の作品が選ばれている。


オールタイム・ベストというよりも、初心者へのオススメ作品といった主旨のようだ。