いぜん、さるところで、ルパン話をしていた。宮崎ルパンがどうの、大塚ルパンがこうの、赤ルパン緑ルパンとぐだぐだ言っていたら、聞いていた方が、
「それはルパンじゃなくて、ルパン三世でしょう? ちゃんと三世と言いなさい!」
おっしゃるとおりです。すいません。
で、本家の「ルパン」を鑑賞。
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長篇『カリオストロ伯爵夫人』を中心に、いくつかの作品のエピソードをまぜたつくりになっている。といっても、実は僕はルブランの原作をほとんど読んでいない。かつて大人向けの完訳版で『虎の牙』や『三十棺桶島』を読もうとしたら、あまりのつまらなさに途中で投げ出してしまったほど。最初の短篇集『怪盗紳士』はなんとか読めるけど、やはり古めかしさは否めない。
今回の映画は、若かりし時のルパンが中心で、ルパン役の俳優に、いまひとつ魅力を感じられなかった。下品な生臭さを感じてしまう。こういう前世紀の荒唐無稽なロマンは、顔だけ整った浮世離れした大根役者でいいような気がする。
カリオストロ伯爵夫人は魅力あるが、クラリスは単なる尻軽で身勝手な娘にしか思えないのも、苦しい。しかし、伯爵夫人はほんとうに不老だったのかね。
ルパンとカリオストロとクラリスというと、今の日本ではまず、宮崎駿のアニメ映画のことになるだろう。もちろん、これは孫の話であるが。
じつは僕は、この宮崎映画が、どうにも嫌なのである。たしかにアクションシーンの出来のいいのは認めよう。しかし、あれはルパン三世じゃないよな。僕が好きなルパン三世は、モンキー・パンチのマンガから、テレビの最初の頃(宮崎が加入する前)のルパン三世で、ドライでクールな女たらしなのである。こんな、堕落したルパン三世を見たくはない。峰不二子だって、声は二階堂有希子さんじゃないとね。バカボンのママでは気分がでない。
ところで、むかしうちの父親は、アニメのオープニング・シーンが「ルパンです〜、ルパンです〜」と聞こえたようだ。丁寧に名を名乗るルパンなのであった。