■1945〜1949(昭和20年〜24年)その10/その他の出版社の大衆児童文学2
前回に引続き、この時期の大衆児童文学をの刊行書目を追っていこう。根本正義の「〈書誌〉占領下の少年小説・少女小説・少年講談――偕成社・ポプラ社・講談社・東光出版社・光文社を除く六十五社の出版物」(東京学芸大学紀要第2部門/人文科学 Vol.55)http://ir.u-gakugei.ac.jp/handle/2309/2692 をもとに、可能な限り国際子ども図書館等で実本にあたって確認した。
戦後、もっともはやい大衆児童文学の出版は、湘南書房からなされた。敗戦の年の暮れから刊行をはじめている。以下がそのリスト。
■湘南書房
- 【新日本少年少女選書】 B6版
- 『谷間の池』坪田譲治/岡秀行・絵 1945-12-20
- 『駒鳥温泉』川端康成/門屋一雄・絵 1945-12-20
- 『てんとう姫の手柄』吉屋信子/岡秀行・絵 1945-12-20
- 『狼少年』キップリング/大佛次郎・訳 1946-03-15
- 『奴隷トム物語』村岡花子/松野一夫・絵 1946-04-20
- 『虹』中里恒子』根本芳悦 1946-05-20
- 『ピノッキオ』伯熊達生/武井武雄・絵 1947-03-05 ★奥付シール(シール下に昭和21年とあり)
- 『北里と野口』林髞 1947-06-01 ★伝記
- 『花丸小鳥丸』大佛次郎/岡秀行・絵 1947-07-15
- 『狼少年―新かなつかい版』キップリング/大佛次郎・訳/田中良・絵 1947-12-25
- 『春の鳥』中里恒子 1947-12-25
- 『百花村物語』佐藤春夫/宮田重雄・絵 1948-03-15
- 『少年珊瑚島』木々高太郎/松田文雄・絵 1948-04-10
- 『青空少年』久米正雄/遠山陽子・絵 1948-09-10
- 『山を守る兄弟』大佛次郎/斎藤五百枝・絵 1949-05-25
- 『狼隊の少年』大佛次郎/斎藤五百枝・絵 1951-07-15
- 『学校の花』川端康成 ★発行年月不明
- 『啓吉の学校』林芙美子 ★発行年月不明
- 【令女選書】
- 【その他】
- 『あべこべ玉』サトウ・ハチロー/横山隆一・絵 1948-06-15
- 『田舎の月はきんいろの月』林芙美子/鈴木信太郎・絵 1948-07-20 ★A5版
- 『水晶山の少年』大佛次郎/脇田和・絵 1948-08-10
- 『動物の話』トルストイ/広尾猛・訳/ファヴォルスキイ・絵 1948-08-20 ★ソ連邦アカデミア版/A5版
- 『鞍馬天狗/角兵衛獅子』大佛次郎/羽石光志・絵 1948-10-08
- 『小太郎と小百合』楠山正雄/田中良・絵 1948-12-05 ★長篇童話/A5版
- 『続 角兵衛獅子―少年のための鞍馬天狗』大佛次郎/羽石光志・絵 1948-12-20
- 『チョコレートの旅』吉屋信子/まつもと かつぢ・絵 1949-01-01 ★絵ものがたり/A5版
- 『ダリアの少女』神崎清/本昌美・絵 1949-02-20
- 『孤児ネリイ』チャールズ・ディケンズ/松本恵子・訳 1950
- 『狼少年―ジャングル・ブック物語』大佛次郎/意匠=岩本平三郎 1951-06-10 ★映画スチール付
- 『鞍馬天狗/角兵衛獅子』大佛次郎/羽石光志・絵 1951-09-05 ★映画スチール付
- 『踊り子草』森田たま ★発行年月不明
大佛次郎の『狼少年』、村岡花子の『奴隷トム物語』、伯熊達生の『ピノッキオ』など海外児童文学の翻訳(翻案)と大佛次郎の小説が中心となっているが、それらに混じって木々高太郎の『少年珊瑚島』が目をひく。これは「黒いカアテン」「蝸牛の足」「少年と符号」「少年珊瑚島」の四作が収録された短篇集で、戦前の作品を集めたものである。また木々は本名の林髞名義で『北里と野口』という伝記物語も出している。広告文によれば、久米正雄の『青空少年』や大佛次郎の『水晶山の少年』にも多少の探偵味があるようだ。
また、1951年版の『鞍馬天狗/角兵衛獅子』の巻末には、「大佛次郎名作選」として、次の作品が叢書扱いで掲載されている。これまでに刊行した大佛次郎作品を改めてまとめたものであろう。上記リストもれの作品に『山岳党奇談』『覆面の騎士』がある。『覆面の騎士』は「アイバンホー」の翻訳(翻案)で、雑誌「少年」の連載をまとめたものだと広告文にある。
- ジャングル・ブック/花丸小鳥丸/水晶山の少年/山を守る兄弟
- 狼隊の少年/角兵衛獅子/山岳党奇談/覆面の騎士
湘南書房は「令女選書」という叢書も企画した。広告文には「夢多き乙女の日の喜び悲しみを秘めて/あなたの胸に捧げる香高き文学の花束」「面白く気品の高い内容」「令女好みの優美な装幀」とある。林芙美子の『人形聖書』には「令女小説」との角書きも見られる。少女小説より少し上の年齢をターゲットにした「令女小説」という名称はあまり普及せず、その後すたれたようだが、湘南書房だけでなく愛育社の本にも見られる。
愛育社から発行された「愛育文庫」は、ここに挙げた海外童話や伝記物語だけでなく、日本おとぎ話や児童劇、童謡なども含まれている。このほか、「野村胡堂冒険小説名作選」が刊行された。これは光文社の「痛快文庫/野村胡堂全集」よりも早い、胡堂の児童書としては戦後最初のものである。巻数は6巻まで確認できたが(3巻は未確認)、広告では9巻まで題名が挙げられている。
■愛育社
- 【愛育文庫】
- 『フランクリン物語』野辺地天馬 1946-01-01
- 『ワシントン物語』野辺地天馬 1946-02-01
- 『リンカァン物語』野辺地天馬 1946-04-01
- 『英国童話 夢を売るおぢさん』松原至大/林義雄・絵 1946-06-20
- 『イエスさまの伝記』岩村清四郎/上田次郎・絵 1946-08-05
- 『ダーウィン周航記』長谷川鉱平/斉田喬・絵 1946-09-15
- 『マッチ売りの少女/アンデルセン童話集(1)』アンデルセン/酒井朝彦・訳/林義雄・絵 1947-09-10
- 『みずうみの少年』関英雄/茂田井武・絵 1947-09-15
- 『黒板まつり』塚原健二/斎藤長三・絵 1947-10-05
- 『マルコ・ポーロの冒険』羽生操/石川清・絵 1949-04-30
- 【野村胡堂冒険小説名作選】
- 【その他】
- 『春の歌』村岡花子 1946 ★令女小説
雑誌「おとぎのくに」(1946-12〜1947-08)、「えほんのくに」(1947-05〜1949-01?)を発行していたまひる書房からは「少年少女文庫撰」という叢書が刊行された。1948年から少女小説が別枠となっている。
■まひる書房
- 【少年少女文庫撰】
- 『新奇巌城』南沢十七/生沢朗・絵 1946-11-25 ★1948-07-15版あり
- 『雷獣境』南沢十七/三芳悌吉・絵 1947-09-20 ★1948-07-15版あり
- 『孤島の怪賊』南洋一郎/霜野二一彦・絵 1947-11-30
- 『一直線』佐藤紅緑/霜野二一彦・絵 1948-04-01
- 『猛獣を生捕る』南洋一郎/鷺巣とみを・絵 1948-04-15
- 『紅顔美談』佐藤紅緑 1948-06
- 『兄弟少年団』山中峯太郎/林唯一・絵 1948-06-15
- 『少年行進曲』佐藤紅緑/高木清・絵 1948-08-05
- 『我ぞ希望の丘を越えて』五十公野清一/大槻定雄・絵 1948-08-15
- 『少年島』浜本浩/伊勢良夫・絵 1948-09-15
- 『暁の巨人』山中峯太郎/伊勢良夫・絵 1948-10-05 ★伝記小説
- 『曙の傑人』山中峯太郎/伊勢良夫・絵 1948-10-25 ★「暁の巨人」続編
- 『木曾の白旗』邦枝完二/玉井徳太郎・絵 1948-12-10
- 『輝く熱球』五十公野清一/斎藤五百枝・絵 1948-12-15
- 『風雲龍虎陣 龍の巻』山中峯太郎/原研児・絵 1949-01-10
- 『幽霊賊』三上於菟吉 ★発行年月不明
- 『九人物語』サトウ・ハチロー ★発行年月不明
- 【少年少女文庫撰/少女小説撰】
- 【少女小説撰】
- 【その他】
- 『桃太郎冒険記』佐藤紅緑/若林敏郎・絵 1949-12-25
根本書誌から、探偵小説関連の作品の広告文を引用する。
南沢十七の作品が二作でている。南沢十七は戦前の「新青年」でデビューした作家で、科学畑の出身のためか、SF的な設定を使った作品が多い。戦後はもっぱら児童書の分野で活躍し、昭和20年代のジュヴナイルSF作家として重要な存在であるが、探偵小説も決して少なくない。
その南沢十七の「少年探偵」シリーズを出していたのが新浪漫社浅田書店。シリーズ四作目は『三つの誓』の巻末広告で予告されているが、出版されたのかどうか不明である。ほかにも、柴田錬三郎の『少年海賊王』、海野十三『時計屋敷の秘密』、香山滋の『恐怖の不時着』など探偵小説、冒険小説のジャンルにはいる作品が出版された。『恐怖の不時着』は香山の少年ものとしては、偕成社の『海底牢獄』に続く二作目の著書である。
■新浪漫社浅田書店(浅田書店)
- 【少年探偵】
- 『港の少年探偵』南沢十七 1948
- 『龍奇城の怪人』南沢十七/松本かつぢ・絵 1948-07-05
- 『緑人の魔都』南沢十七 1948-09
- 『恐怖城の秘密』南沢十七 ★未刊?
- 【その他】
『港の少年探偵』の広告文を、根本書誌から引用しよう。なお、このシリーズの第三作、『緑人の魔都』は『少年小説大系18/少年SF傑作集』(三一書房)で読むことができる。
- 『港の少年探偵』南沢十七
- 霧の港に突如現れる怪ギャング隊、浮浪少年に変装した少年探偵、夜の港に虚々実々の闘争がくりひろげられます。少年探偵は新発明の「潜水クラゲ」を駆て海底のギャングの巣窟に迫ります。そこには警察官が捕はれの身となってギャングに脅されています。一方水上警察署には警察官になりすましたギャングがしのびこみました。最後の一頁迄文字通り手に汗をにぎらせる南沢先生の書卸し傑作。
続いて内田書店。前回触れた東光出版社の『怪盗Z団』もそうだったが、ジゴマの名は戦後もまだ有効だったのだろうか。その『怪盗ジゴマ』には「探偵小説」の角書きがあるが、「薔薇の怪盗」が併録されている横溝正史の『まぼろし曲馬団』は、「少年少女小説」となっている。
■内田書店
- 『山の大男』与田準一/瀧田要吉・絵 1948-03-30 ★童話
- 『怪盗ジゴマ』山路壮太郎/伊藤幾久造・絵 1948-06-30
- 『友情の曲』横山美智子/辰巳まさ江・絵 1948-11-20
- 『白刃乱舞』土師清二/斎藤五百枝・絵 1948-12-20
- 『勉子』山中峯太郎 1949
- 『風雲ヒトデ城』土師清二/斎藤五百枝・絵 1949-01-30
- 『まぼろし曲馬団』横溝正史/伊藤幾久造・絵 1949-02-15
- 『思い出の丘』横山夏樹/辰巳まさ江・絵 1949-04-10
- 『少年砲手長』山田健三/原研児・絵 1949-05-20
- 『美しき涙』横山夏樹/辰巳まさ江・絵 1949-06-30
- 『魔獣の叫び』山路壮太郎/樺島勝一 ★広告にあり
- 『密林物語』泉本三樹 ★広告にあり
- 『二都物語』ディケンズ/波多野勤子 ★広告にあり
むさし書房からは南洋一郎(池田宣政)の著作が多く刊行された。『大密林の怪奇』には「南洋一郎傑作集」、『空飛ぶ怪光』と『大魔境の秘宝』の合本である1951年の『魔神の大殿堂』には「南洋一郎傑作選集」とあるが、どちらも叢書というわけではないようだ。また、広告によれば浅原六朗の著作には「少年探偵小説」もしくは「探偵小説」、野村愛正の『魔境の怪都』には「科学探検小説」という角書きがある。
■むさし書房
- 『大密林の怪奇』南洋一郎/小松崎茂・絵 1948-03-20
- 『空飛ぶ怪光 第一部 魔境怪塔の巻』南洋一郎/小松崎茂・絵 1948-04-10
- 『大魔境の秘宝 空飛ぶ怪光第二部』南洋一郎/小松崎茂・絵 1948-05-20
- 『謎の秘巻』山岡荘八/石津博典・絵 1948-07-15
- 『魔風党事件』浅原六朗/唄野蛾生・絵 1948-10-10
- 『峠の少女』諏取三郎/阿南将繁・絵 1948-10-15
- 『魔境の怪都』野村愛正 /唄野蛾生・絵 1948-10-20
- 『ロビンソン・クルソー』池田宣政/田中正雄・絵 1948-10-30 ★デフォー原作
- 『花の譜』大林清/唄野蛾生・絵 1948-12-15
- 『二宮尊徳』池田宣政/阿南将繁・絵 1948-12-30
- 『明日ひらく花』福田清人/唄野蛾生・絵 1949-01-30
- 『心の花束』田郷虎雄/唄野蛾生・絵 1949-02-25
- 『愛と正義の偉人リンカーン 上巻』池田宣政/石津博典・絵 1949-03-10
- 『愛と正義の偉人リンカーン 下巻』池田宣政/石津博典・絵 1949-03-10
- 『魔神の大殿堂』南洋一郎/表記なし 1951-01-10 ★「空飛ぶ怪光」合本
- 『密林の怪獣』太田黒克彦/井口文秀・絵 ★発行年月不明
- 『恐怖の怪屋』浅原六朗 ★発行年月不明
わかる範囲で、探偵小説周辺書の広告惹き句を引用しておく。
さて南洋一郎といえば、東雲堂新装社の「バルーバの冒険」シリーズを外すわけにはいかない。1948年から1951年にかけて5巻まで出版され、最終巻は長らく未刊だったが、三一書房の『少年小説大系20/南洋一郎集』(1992)でようやく陽の目を見た。『巨人バルーバー』(これだけ「バルーバー」となっている)は前半部分を絵物語風にダイジェストしたものである。
東雲堂新装社からは、バルーバ・シリーズ以外にも、西条八十の少女向けミステリー『青い洋館』や南沢十七の『ダイヤモンドの弾丸』も刊行された。後者は「少年新ルパン物語」の1巻で、有瀬留伴(あるせ・るぱん)なる人物が登場する。2巻以降は確認できなかった。
■東雲堂新装社
- 【バルーバの冒険】
- 【その他】
PHP出版社は大阪の出版社で、代表者は沢田重隆となっている。「絵小説シリーズ」「新少年文庫」「新少女文庫」「新漫画文庫」などを発行していた。絵小説は、いわゆる絵物語。以下のものは根本書誌のほか、『テキサスの快少年』『遥かなるマドレーヌ』等の巻末広告を参考にまとめた。
■PHP出版社
- 【絵小説シリーズ】
- 『テキサスの快少年』山田源三郎/沢田重隆・絵 1948-12-28 ★絵物語
- 『極光の彼方へ』中正夫/沢田重隆 ★発行年月不明
- 【新少年文庫】
- 【新少女文庫】
- 不明
- 『乙女の調べ』江間章子/高井貞二 ★発行年月不明
- 【その他】
- 『緑の騎手』金貝省三 1949-12-25
- 『遥かなるマドレーヌ』加藤一郎/沢田重隆・絵 1949-05-10 ★翻案小説
- 『ハーモニカ少年隊』小西茂木/沢田重隆・絵 1949-07-30
二葉書店は1946年5月から順次、学年誌『小学一年』から『小学六年』の六誌を発行した。これは戦後、小学館に次いで二番目の学年誌であり、学習研究社よりも早い。あいにく1950年10月で全て休刊となったが、その間に、木々高太郎「スペクトルD線」(『小学五年』1949-1〜3)、北村小松『天狗岩のなぞ』(『小学五年』1949-05〜1950-03)、香山滋『嵐の海』(『小学六』1950-07)などが掲載されている。「二葉文庫(少国民版)」「二葉文庫児童版」「二葉児童文庫」と名称はかわるが、同じ流れの叢書と思われる。巻末広告によれば童話系の本がまだ多数あるようだが、ここでは実本確認できたもののみを挙げることにする。
■二葉書店
- 【二葉文庫少国民版】
- 『太平洋漂流記』江口渙/真垣武勝・絵 1946-04-20
- 『金時計』パンテレイエフ 槇本楠郎/挿絵は原書より 1946-06-10
- 【二葉文庫児童版】
- 『山の牧場(まきば)』徳永寿美子/西原比呂志・絵 1948-04-30
- 【二葉児童文庫】
このうち、『決死の猛獣狩』『ザンバの冒険』『北極のあらし』を「冒険物語」として別枠とした広告もある。なお、『アンクル・トム物語』にはスーザン・B・ウォーナーの家庭小説『広い、広い世界』(1850)の抄訳「おわかれする前」が併録されている。
海外名作小説を児童向けにリライトした叢書は、すでに述べたように、講談社の「少国民名作文庫」(1946-08〜)や偕成社のシリーズ(1946-05〜)があった。泰文社の「少年少女世界名作文庫」も同様の企画であるが、短命に終わったようである。スティーヴンソンンの『自殺クラブ』が入っているのが目を引く。こうした叢書が盛況となるのは1950年以降であり、この企画は少し早すぎたのかもしれない。
■泰文館
【少年少女世界名作文庫】
- 『黒いチューリップ』仲根年明/土村正寿・絵 1948-02-25 ★デュマ原作
- 『自殺クラブ』竹田靖治/土村正寿・絵 1948-05-15 ★スティーヴンソンン原作
- 『鎮西八郎為朝』足立勇/土村正寿・絵 1948-06-15 ★馬琴「弓張月」原作
- 『白薔薇少女』浅原六朗 1948-06-25
- 『燃ゆる塔―九十三年』恒屋清蔵 1948-10-30 ★トルストイ『九十三年』
- 『宝島』竹田靖治 ★広告にあり
- 『キュリー夫人』堀内喜雄 ★広告にあり
- 『あゝ無情』安藤新之助 ★広告にあり
- 『奴隷トムの小屋』平井芳夫 ★広告にあり
- 『鉄仮面』竹田靖治 ★広告にあり
- 『ドン・キホーテの冒険』小山貞雄 ★広告にあり
- 『三銃士』平井芳夫 ★広告にあり
世界社は江戸川乱歩の『蜘蛛男』や大下宇陀児の『魔法街』、海野十三の『盗まれた脳髄』など大人向けの文芸書を出していたが、児童向けの本も刊行した。伝記物語の「偉人文庫」と冒険小説や伝奇小説の「熱血文庫」がある。そのほか、小酒井不木、甲賀三郎の探偵小説も出版した。
↑1948-01-15版 ↑1948-07-15版
↑1949-06-20版
■世界社
- 【偉人文庫】
- 【熱血文庫】
- 【その他】
東和社は『少女の友』の編集をしていた内田基が、のちに実業之日本社を退職して興した出版社である。少女小説が中心のラインナップである。
■東和社
- 【吉屋信子少女小説選書】 B6判/装幀=松本かつぢ
- 『わすれな草』 1948-01-15
- 『桜貝(藍子の巻)』 1948-06-15
- 『桜貝(梢の巻)』 1948-07-01
- 『あの道この道 上』 1948-09-01
- 『あの道この道 下』 1948-09-01
- 『乙女手帖』 1948-10-15
- 『三つの花』 1948-12-01
- 『からたちの花』 1948-12-01
- 『花物語(紫の巻)』 1948-12-31
- 『花物語(紅の巻)』 1949-01-15
- 『花物語(緑の巻)』 1949-03-01
- 『花物語(黄の巻)』 1949-03-15
- 『花物語(藍の巻)』 1949-04-01
- 『伴先生』 ★発行年月不明
- 『街の子だち』 ★発行年月不明
- 『紅雀』 ★発行年月不明
- 『青いノート』 ★発行年月不明
- 【少女小説】
- 『四ツ葉の誓ひ』上田エルザ 1949-07
- 『紫の花』上田エルザ 1949-08
- 『二つの揺籃』上田エルザ ★発行年月不明
- 『若草日記』田郷虎雄/装幀=松本昌美 1949-06-15
- 『帰れ白鳩』田郷虎雄/装幀=松本昌美 1949-07-15
- 『可哀そうな子』セギュール夫人/八木さわ子・訳/装幀=松本かつぢ 1949-07-01
- 『春雨の琴』大佛次郎/装幀=松本昌美 1949-06-01
- 『乙女の港』川端康成/装幀=松本かつぢ 1949-04-15
- 『級長の探偵』川端康成 ★発行年月不明
- 『虹の港』富田常雄/装幀=松本昌美 1949-04-01
- 『チビ君物語』由利聖子 1948-11-15
- 『続チビ君物語』由利聖子 ★発行年月不明
- 『小さい先生』由利聖子 ★発行年月不明
- 『黒板ロマンス』神崎清/装幀=松本かつぢ 1948-07-15
- 『女学生時代』神崎清/装幀=松本かつぢ 1948-12-15
- 『姉の結婚』神崎清/装幀=松本かつぢ 1949-06-01
- 『角笛のひびき』吉江孤雁 1948-12-01
- 『小さい花束』深水正策 1948-11-30 ★偉人物語
根本書誌によれば、この時期に少女小説を出していたのは、ほかに雲雀社がある。
■雲雀社
- 『ばらの少女』村岡花子 1949-03-01 ★オルコット「八人のいとこたち」
- 『涙の幌馬車』田郷虎雄 1949-09-30
- 『天使の花園』大原富枝 ★発行年月不明
- 『母の幻想曲』水木洋子 ★発行年月不明
- 『愛の花々』水島あやめ ★発行年月不明
- 『乙女の夢路』田郷虎雄 ★発行年月不明
- 『北斗星の彼方』田郷虎雄 ★発行年月不明
- 『ひばりの唄』田郷虎雄 ★発行年月不明
- 『愛の紅ばら』小林正 ★発行年月不明
実本確認がほとんどできていないが、こちらも探偵小説とは関係ないようである。