戦後ジュヴナイル・ミステリの系譜(8)

■1945〜1949(昭和20年〜24年)その8/ポプラ社の大衆児童文学

 偕成社と違い、ポプラ社は戦後創業した児童書中心の出版社である。同社Webサイトの社史によれば、1947年に「「地中魔」(海野十三)、「海に立つ虹」(加藤武雄)、「怪傑黒頭巾」(高垣眸)を刊行、吉川英治の作品などを出版」したのが最初のようだ。1947年の出版作品で吉川英治の作品については確認できなかったものの、根本正義の「〈書誌〉ポプラ社の探偵・冒険シリーズ」(『文学と教育』2002年6月)、「〈書誌〉ポプラ社少女小説名作選」(『学芸国語国文学』2004年3月)(以下、根本書誌と表記)をもとに、1950年までのポプラ社の出版状況についてリストを挙げておこう。1950年まで挙げたのは、次の時期への流れを見るためである。*1△は戦前の復刊本、◎は少年向け講談本、●は戦後の大衆児童文学。ただし、戦前作品か戦後作品かは、かなり間違いもあることを最初にお断りしておく。また、1949年以降は少女小説を省略した。根本書誌によれば、1948年には18冊だった少女小説が、1949年には43冊の少女小説が刊行されているが(時代物を含む)、偕成社のときと同じく、ジュヴナイル・ミステリとは直接の関連性がないと判断したためである。ただし、千葉省三の『山姫かづら』など少女向け時代小説や、池田宣政の『父と子』など少年向けの目録にも載っている作品はリストに入れた。

  • 1947年
    • △『地中魔』海野十三/伊藤幾久造・絵  1947-08-20 ★1948年に改装版
    • △『海に立つ虹』加藤武雄        1947-10
    • △『怪傑黒頭巾』高垣眸         1947-12
  • 1948年
    • △『七本椿』吉屋信子            1948-01-25
    • △『春やいずこ』北川千代/辰巳まさ江・絵  1948-03-20
    • ●『魔城の鉄仮面』南洋一郎/伊藤幾久造・絵 1948-03-25
    • △『黒星博士』山中峯太郎          1948-04
    • △『あの山越えて』佐藤紅緑/辰巳まさ江・絵 1948-04-25
    • △『まぼろし城』高垣眸           1948-05-15
    • △『絹糸の草履』北川千代/辰巳まさ江・絵  1948-05-30
    • ◎『怪傑児雷也』水上雨虹/伊藤幾久造・絵  1948-06-25
    • △『涙の握手』水守亀之助/田中良・絵    1948-07-10
    • △『銀蛇の窟 海の巻』高垣眸/伊藤幾久造・絵 1948-07-15
    • ●『神変黒衣党』山中峯太郎/伊藤幾久造・絵 1948-07-30
    • ●『髑髏仮面』南洋一郎/伊藤幾久造・絵   1948-08-05
    • △『司馬家の子供部屋』吉屋信子蕗谷虹児・絵 1948-08-10
    • △『吹けよ春風』加藤武雄/辰巳まさ江・絵  1948-08-20
    • ◎『忍術猿飛佐助』水上雨虹/伊藤幾久造・絵 1948-08-30
    • △『麗わしき母』佐藤紅緑/辰巳まさ江・絵  1948-08-30
    • ●『緑の校庭』芹沢光治良          1948-09-30 ★『白鳥』連載?
    • ◎『忍術霧隠才蔵』泉華山/伊藤幾久造・絵  1948-09-03
    • ●『母の幻』北川千代/辰巳まさ江・絵    1948-09-25
    • △『美しき港』佐藤紅緑/辰巳まさ江・絵   1948-09-25
    • △『級(クラス)の光り』横山美智子/辰巳まさ江・絵 1948-10
    • △『毬子』吉屋信子/辰巳まさ江・絵     1948-10-25
    • △『銀蛇の窟 山の巻』高垣眸        1948-11
    • △『街の太陽』佐藤紅緑/斎藤五百枝・絵   1948-11-15
    • △『大東の鉄人』山中峯太郎/原研児・絵   1948-11-15
    • △『千鳥笛』千葉省三/蕗谷虹児・絵     1948-11-20
    • ●『悲しい角兵衛獅子』吉田絃二郎      1948-12
    • ●『春雨の曲』北川千代/辰巳まさ江・絵   1948-12-25
    • △『緑の天使』佐藤紅緑/辰巳まさ江・絵   1948-12-30
    • △『龍虎八天狗―水虎の巻(上巻)』吉川英治/斎藤五百枝・絵 1948-12-30
  • 1949年
    • △『龍虎八天狗―火龍の巻(中巻)』吉川英治/斎藤五百枝・絵 1949-01-10
    • △『龍虎八天狗―鳳凰の巻(下巻)』吉川英治/斎藤五百枝・絵 1949-01-20
    • ◎『剣侠落花の陣』水上雨虹/伊藤幾久造・絵 1949-01-30
    • △『九曜星』高垣眸           1949-02 ★原題『大陸の若鷹』
    • ●『夕空晴れて』久米元一        1949-04
    • △『山姫かづら』千葉省三/蕗谷虹児・絵 1949-09-05
    • ●『笑う雪魔』海野十三/伊藤幾久造・絵 1949-09-15
    • △『やまどり文庫』吉川英治/伊藤幾久造・絵 1949-09-30
    • △『泣かぬ星丸』千葉省三/伊藤幾久造・絵 1949-11-25
    • △『胡蝶陣』吉川英治/伊藤幾久造・絵  1949-11-30
    • ●『怪童流れ星』高垣葵         1949-12-15
  • 1950年
    • △『父と子』池田宣政/四本文雄・絵   1950-02-05
    • △『風雲紅玉陣』橋爪健/伊藤幾久造・絵 1950-02-15 ★『少女画報』連載
    • △『海底魔城』海野十三/伊藤幾久造・絵 1950-02-28 ★『太平洋魔城』改題改訂版
    • ●『友情の翼』北條誠/四本文雄・絵   1950-03-20
    • ●『神変稲妻童子村上元三/伊藤幾久造・絵 1950-03-25 ★『中学生の友』連載
    • △『風神門』吉川英治/伊藤幾久造・絵  1950-03-30 ★ソフトカバー
    • △『初旅坊ちゃん』吉川英治       1950-04
    • ●『悪魔の星』香山滋/加藤敏郎・絵   1950-05-05
    • ●『白骨島の秘密』北村寿夫       1950-04
    • △『荒海の虹』高垣眸          1950-04
    • ●『天狗岩の謎』北村小松        1950-05
    • △『魔海の音楽師』吉川英治/伊藤幾久造・絵 1950-05-15 ★ハードカバー
    • ●『龍神のつぼ』高垣眸         1950-06
    • ●『疾風月影丸高垣眸/伊藤幾久造・絵 1950-06-10
    • ●『少年航路』富田邦彦/宮野美晴・絵  1950-06-15
    • △『あゝ玉杯に花うけて』佐藤紅緑伊勢田邦彦・絵 1950-07
    • ●『美しき鬼』海野十三/沢田重隆・絵  1950-07-30 ★「蝿男」児童版
    • △『龍神丸高垣眸           1950-12
    • ●『水滸伝村上元三          1950-12


 1947年に創業したポプラ社の最初の出版物は『地中魔』『海に立つ虹』『怪傑黒頭巾』の三冊であり、ジャンルでいれば探偵小説、少女小説、時代小説であった。これはつまり、同社が大衆児童文学の総合的な出版社を目指したと判断してもいいだろう。逆にいえば、昭和20年代における児童文学の人気ジャンルは、この三つだったともいえよう。前述したように、少女小説は1949年から出版点数が急増し、同社の年間出版数の8割を占めるまでになる。初期の装幀は蕗谷虹児による美麗なもので、この時代の乙女たちの心を捉えたことは間違いないだろう。

 時代小説もまた、人気のジャンルであった。Webサイトの社史にも「なかでも「怪傑黒頭巾」は空前のベストセラーに」とあり、そのためか最初の時期は高垣眸作品が非常に多い。『疾風月影丸』(1950-06-10)の巻末広告欄などによると、以下の作品が「高垣眸名作選」という叢書になっていたようだ。

高垣眸名作選】

  1. 怪傑黒頭巾
  2. まぼろし
  3. 銀蛇の窟 山の巻
  4. 銀蛇の窟 海の巻
  5. 九曜星
  6. 荒海の虹
  7. 龍神のつぼ
  8. 疾風月影丸

 時代小説の読者は少年だけでなく、少女もいた。いや、もともと高垣眸の『大陸の若鷹』(『九曜星』)や吉川英治の『やまどり文庫』『胡蝶陣』『月笛日笛』『左近右近』『ひよどり草紙』、千葉省三の『山姫かづら』『千鳥笛』『泣かぬ星丸』など、ここに収録された多くの児童向け時代小説は戦前の「少女倶楽部」や「少女の友」に連載されたもので、むしろ少女向けに書かれた小説を、少年も読んでいた、と解釈した方がいいのかもしれない。他の小説が背表紙や中扉に「少女小説」「冒険小説」「野球小説」などと書かれ、読者層が男女に区分けされはじめていたなかに、時代小説だけは1950年ごろまで「少年少女小説」と書かれていた。

 ここで巻末の広告欄をたよりに、読者層がどのように想定されていたかをさぐってみよう。『魔城の鉄仮面』(1948-03-25)の広告欄は、とくにジャンル名を書かずに、次のような作品が紹介されている。

  • 怪傑黒頭巾/まぼろし城/黒星博士/海に立つ虹/七本椿/春やいずこ

 まだ出版点数が少なく、読者にあわせた広告が出来なかったのかもしれない。これが『神変黒衣党』(1948-07-30)になると、もう少し作品数が増え、ジャンル名も「少年少女小説」とされるようになった。

  • 怪傑黒頭巾/まぼろし城/銀蛇の窟(山の巻)/銀蛇の窟(海の巻)/魔城の鉄仮面/黒星博士
  • 地中魔/髑髏仮面/神変黒衣党/海に立つ虹/七本椿/春やいずこ
  • あの山越えて/毬子/絹糸の草履/涙の握手/吹けよ春風/級の光り

 ここでもまだ、いわゆる「少女小説」も一緒に広告されている。しかし『髑髏仮面』(1948-08-05)の広告は、名称こそ「少年少女小説」だが、次のように少年向けの作品だけが挙げられた。

  • 怪傑黒頭巾/まぼろし城/銀蛇の窟(山の巻)/銀蛇の窟(海の巻)/魔城の鉄仮面/黒星博士

 これは単純に広告のページ数の都合なのかもしれない。広告ページ数が少ない時は、少年向けの小説には冒険、活劇の要素の多いものを載せ、ページ数が多くなると(当時の出版作品では間に合わないため)少女向きの作品も掲載していた、ということなのだろうか。では、少女向けと思われる本の広告ページはどうだったのだろう。『母の幻』(1948-09-25)の広告欄は、ジャンル名は「少年少女小説」であるが、次のようにすべて「少女小説」で占められている。

  • 七本椿/毬子/司馬家の子供部屋/草笛吹く頃/海に立つ虹/吹けよ春風
  • あの山越えて/麗わしき母/美しき港/緑の天使/街の太陽/涙の握手
  • 春やいずこ/絹糸の草履/母のまぼろし/級の光り/リラの花咲く丘/緑の校庭

 この辺りの事情は前回述べた偕成社と同じで、「少女小説」というジャンルは他のジャンルよりも早く、明確に、独立して存在していたといえよう。最も、『春雨の曲』(1948-12-25)の広告欄は、同じく「少年少女小説」となっているが、次のようにページ数が少ないわりに内容はバラエティに富んでいる。

  • 龍虎八天狗/大東の鉄人/春雨の曲/千鳥笛/悲しい角兵衛獅子/鈴蘭の花咲けば

 『龍虎八天狗』は吉川英治の時代小説、『大東の鉄人』は山中峯太郎の軍事冒険小説で、戦前の「少年世界」「少年倶楽部」の連載だった。姉弟が登場する吉川英治作品は別として、本郷義昭の活躍には少女も胸躍らすと思われたのだろうか。あるいは、『万里の王城』『黒星博士』など少女向け雑誌に発表した作品も多い山中峯太郎の名は、少女たちにも馴染みだと判断されたのか。

 それよりも、ここでは占領軍の検閲があったこの時期に、軍事冒険小説が復刊されていた事実に注目したい。1940年代後半に出版された児童書の中では、これは非常にめずらしい例だ。ポプラ社が戦後創設された出版社であったことも関係しているのかもしれない。戦前からの出版社は、講談社に代表されるように、戦争責任を問われることを恐れていた。したがって、大衆受けする児童文学作品も、世界名作文学の装いをするなど、さまざまな工夫の跡が見られる。少女小説の出版点数が多かったのも、「民主的」な出版指導と矛盾する部分が少なかったためもあるだろう。反して少年向け冒険小説や少年向け時代小説は好戦的、封建的と捉えかねない面をもっていたことはたしかで、簡単には出版しづらかったと思われる。ポプラ社においても、吉川英治の『神州天馬侠』が1951年に復刊された時は、題名が『新州天馬侠』となっていた。そうした中で、ポプラ社は最初から世界名作に眼を向けず、高垣眸の時代小説や山中峯太郎の軍事冒険小説を出した(出すことができた)ことは、記憶しておくべきだろう。

 さらにポプラ社は、この時期に「傑作少年講談」と題したシリーズ企画を開始している。チャンバラをはじめとする時代劇が禁止されていた時期に、封建的な価値観を助長するものと思われた講談読物は、安易には出せなかったはずである。根本正義の「〈書誌〉占領下の少年小説・少女小説・少年講談――偕成社ポプラ社講談社・東光出版社・光文社を除く六十五社の出版物」(東京学芸大学紀要第2部門/人文科学 Vol.55)http://ir.u-gakugei.ac.jp/handle/2309/2692 においても、1948年に飛鳥書房が企画した少年講談の叢書に対して「占領下にあって飛鳥文庫の刊行には、それなりの決意があったのであろう」とした上で、「民主化政策の時代の中で、〈美しい人情、涙ぐましい義理は必ずしも封建的と排斥するにはあたらない。人間の愛とまことと血で築き上げた道徳はいつの世にも人の胸をうつものだ。〉という考え方で出版を考えていたということは、特記しておくべきことだ」とする。ポプラ社の「傑作少年講談」シリーズにも、同じような決意文ともとれる文章がある。『怪傑児雷也』には「傑作少年講談について」と題して、次のような文章が掲載された。

 講談というものは実に長い間、われわれ日本人に最も愛読されてきたよみものであります。おそらくこれほど社会のあらゆる階層の人々に読まれたよみものはないでしょう。そこには社会の表裏、人間の情義、勇気、冒険、機智、空想などが、多くは歴史上の実在の人物、あるいは架空な人物の行動活躍を通して、縦横無盡に語られ、まったく興味はしんしんとして尽きず、もっとも娯楽的にしかも多くの示唆教訓を含んで、長い間の大衆座右の好伴侶だったのであります。しかしそれらの人物の活動の舞台が、多くは封建社会だったために、従来のそれらは封建的な主題に終始してきたうらみがあります。本社はここにそれらの行き方に一応の検討を加え、愛すべき登場の勇士剣客たちに新しいよそおいをこらさせ、この時代のよみものとして、十分たえられるよう、しかも最もおもしろい魅力あるよみものとしても尚従来に決して劣らぬよう、再編集をいたしました。そしてここにポプラ社の傑作少年講談として、世の少年少女の方々にひろくお奨めいたす次第であります。何とぞ御愛読下さるようお願いいたします。

日本の大衆が愛した価値観は時代を越えて普遍的である、という信念がうかがえる。同書の広告欄には、次のような題名が予告された。

 しかし、確認できたのは次のものだけである。

  • 『怪傑児雷也』水上雨虹/伊藤幾久造・絵  1948-06-25
  • 『忍術猿飛佐助』水上雨虹/伊藤幾久造・絵 1948-08-30
  • 『忍術霧隠才蔵』泉華山/伊藤幾久造・絵  1948-09-03
  • 『剣侠落花の陣』水上雨虹/伊藤幾久造・絵 1949-01-30

 最後の作品は「傑作少年講談」シリーズではないのかもしれないが、装幀に統一性があるため、挙げておいた。

 造本の面では、偕成社と同じく、1940年代の本はすべてソフトカバーである。確認できた中では、吉川英治の『風神門』(1950-03-30)がソフトカバーで、同じ作者の『魔海の音楽師』(1950-05-15)はハードカバーで刊行されている。この時期にハードカバー化がなされたみていいだろう。また、1940年代の装幀には、少女小説、少年向き探偵冒険もの、時代小説とそれぞれに統一感を出している。『やまどり文庫』(1949-09-30)から始まった時代小説の装幀は『風神門』まで受け継がれ、現代ものは1950年になってからハードカバーになるまでの数冊、『父と子』(1950-02-05)、『海底魔城』(1950-02-28)、『友情の翼』(1950-03-20)などが似た装幀になっている。

  
  


 1950年代に偕成社の「冒険探偵」シリーズと並んで、いわゆる怪魔ものの中心的存在だったポプラ社の「探偵冒険」シリーズだが、広告欄にこの表記があらわれるのは1953年になってからである。その中には時代小説や野球小説、熱血小説、佐藤紅緑の友情をテーマにした少年小説なども含まれていた。すべてが探偵小説や冒険小説であったわけでない。にもかかわらず、(少女ではなく)少年向けの小説の総称として「冒険探偵」が用いられた。すなわち、偕成社の「冒険探偵」と同じく、少年向け小説の中心テーマ、代表的テーマは「探偵」と「冒険」であるとされたのだ。しかし、刊行リストを見るとわかるように、ポプラ社においては1940年代には「探偵」の活躍はまだほんのわずかだった。時代伝奇小説を除いてしまうと、広く冒険ものをいれても、つぎのような作品があるにすぎない。作品の内容が類推できるよう、根本書誌などから広告文を引用してみよう。

  • 『地中魔』海野十三(1947-08-20)
    • 不敵な怪盗「めっかち岩」東京に現るの報に市中は震え上がった! 百万ドル金貨の紛失事件。地底機関車を奪って、ビルジングの覆滅を企てた「めっかち岩」をめぐり少年名探偵三吉の活躍!
  • 『魔城の鉄仮面』南洋一郎(1948-03-25)
    • 怪人ダブラにさらわれた美少女アンナの運命は? これを救けんとする快青年ハリー、少年ジックの冒険! 古城の地下牢の奇怪な二つの鉄仮面とは何者か? 秘宝をめぐる冒険小説!
  • 『黒星博士』山中峯太郎(1948-04)
    • 覆面の怪盗黒星博士! 緒方先生の大切な発明機械を奪って逃げた。少年達郎、少女志津子は、これを追跡して行ったが、ついに黒星の為に捕らえられてしまった。二人の運命は!
  • 『神変黒衣党』山中峯太郎(1948-07-30)
    • 神出鬼没の覆面の怪盗! これを追跡する少年探偵正男と、愛犬タケル号の活躍! 怪人に監禁された伯父と、その発明器械を取返さんとしたが?
  • 『髑髏仮面』南洋一郎(1948-08-05)
    • 「ガラガラッ」無気味な笑声を発して、地底の大迷路に消えた、髑髏仮面の怪人! 土人王国の秘宝をめぐって、雄々しき青年ダニエルと薄幸の美少女ジュリーの活躍。謎の白女王あり奇怪な冒険!
  • 『大東の鉄人』山中峯太郎(1948-11-15)
    • 崑崙山脈の奥深く鉄人先生あり! 世界平和の為に敢然立った侠傑本郷義昭! 平和を乱す血鬼を相手に、地下と上空に火花を散らす大決戦! 熱血溢るる物凄い大冒険小説!
  • 『笑う雪魔』海野十三(1949-09-15)

 怪人(怪盗)と探偵(冒険児)の戦いが中心となっていることがわかる。しかし、怪魔の跋扈は、やはり1950年代を待たねばならないようである。

*1:リスト作成にあたり、根本書誌のほか、Webサイト「密室系」内の「少年探偵小説の部屋」http://www2s.biglobe.ne.jp/~s-narita/new/shonen-index.htm 、「少年物単行本書誌のためのメモ」http://www2s.biglobe.ne.jp/~s-narita/bbs1/60992431640625.html 、『海野十三全集 別巻2』などを参照した。