読書

ミステリのオールタイム・ベスト

さるところで、ミステリ・オールタイム・ベスト選びが行われるらしい。 僕が選ぶとすれば、こんなかんじ。ま、集計にはほとんど影響しない内容である。 戦後(1945年以降)の作品でしばってある。 順位はあまり意味がないが、とりあえず、つけてみた。海外 …

『読まず嫌い。』千野帽子

読まず嫌い。作者: 千野帽子出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2009/09/01メディア: 単行本購入: 13人 クリック: 161回この商品を含むブログ (20件) を見る 千野帽子による文学案内。ジャンルごとに名作や佳作、珍品などを、思…

探偵作家は天国へ行けるのか?

天外消失 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1819)作者: クレイトン・ロースン,フレドリック・ブラウン,ジョン・D・マクドナルド,ジョルジュ・シムノン,他,早川書房編集部出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/12/10メディア: 新書購入: 5人 クリック: 24回こ…

約束の地

約束の地作者: 樋口明雄出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/11/21メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 10回この商品を含むブログ (10件) を見る

児童文学と完訳主義(2)――面白さの種類

講談社が1997年から1999年にかけて全24巻を刊行した「痛快 世界の冒険文学」は、著名作家によるリライトを前面に押し出したシリーズである。原作者の名前は小さく、再話者の名前が大きく表示された本の造りは、「世界名作全集」や同時期のリライト版児童文学…

児童文学と完訳主義

小田光雄の『古本探究』(論創社2009)を読んでいたら、講談社版「世界名作全集」について言及している章があった。古本探究 [ 小田光雄 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 人文・地歴・哲学・社会 > 雑学・出版・ジャーナリズム > 出版・書店ショップ: 楽天…

横山秀夫と日常の謎

横山秀夫が書く小説は、一般には警察小説と思われている。それは、もちろん間違いではない。警察組織の中の一員であるがゆえの苦悩であったり、警察機構そのものの問題点であったり、作品のテーマに警察という組織が取り上げられることが多いからだ。しかし…

CRITICA(クリティカ)三号を読んで

いささか遅れた話題かもしれないが、CRITICA(クリティカ)三号を(途中まで)読んだので、感想を書いておく。

欧米探偵小説のナラトロジー 前田彰一

欧米探偵小説のナラトロジー―ジャンルの成立と「語り」の構造作者: 前田彰一出版社/メーカー: 彩流社発売日: 2008/07メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る 『欧米探偵小説のナラトロジー』前田彰一を読んだ。ナラトロ…

『首無の如き祟るもの』三津田信三

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)作者: 三津田信三出版社/メーカー: 原書房発売日: 2007/04メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 108回この商品を含むブログ (139件) を見る

『指し手の顔』首藤瓜於

指し手の顔 上―脳男2 (1)作者: 首藤瓜於出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/11/30メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (21件) を見る指し手の顔 下―脳男2作者: 首藤瓜於出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/11/30メディア: 単行本この商…

漫画ノート

漫画ノート作者: いしかわじゅん出版社/メーカー: バジリコ発売日: 2008/01/25メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 2人 クリック: 42回この商品を含むブログ (48件) を見る今日、アマゾンに注文していた、いしかわじゅんの『漫画ノート』がとどいた。マン…

雲上都市の大冒険

いやもう……ナンですかこれは?怒るまいと思いつつ読んだが、怒るよりもアキレかえる。 こーゆーのをバカミスとやら言って喜ぶヒトがいるんだ。 へええ。 デタラメと型破りを勘違いしているとしか思えませんが。こういう反応をすると「堅物本読み」と言われる…

『インシテミル』米澤穂信

インシテミル作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/08メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 598回この商品を含むブログ (348件) を見る昨日は月例の屋根裏の散歩会。『インシテミル』の読書会であった。 じつは、この本を選んだのは、かくい…

ホーナングの翻訳について

論創海外ミステリの『二人で泥棒を』は、紳士強盗ラッフルズのシリーズがはじめてまとまった貴重な訳本である。そのご、第二短篇集も、第三短編集も同叢書で刊行され、とりあえず、長い間本邦の紹介が遅れていたこのシリーズは、気楽に読めるようになった。

『バベルの謎』長谷川三千子

バベルの謎―ヤハウィストの冒険 (中公文庫)作者: 長谷川三千子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/04/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (11件) を見る一ヶ月くらいかけて、少しづつ読んでいた。 傑作である。

『先生はえらい』内田樹

先生はえらい (ちくまプリマー新書)作者: 内田樹出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/01/01メディア: 新書購入: 10人 クリック: 88回この商品を含むブログ (251件) を見る

向日葵の咲かない夏

月に一度、「屋根裏の散歩会」と称して、ミステリ好きの仲間が集まって、読書会のごときものをやりながら、ミステリ無駄話に興じるている。 昨日の読書会の本は道尾秀介の『向日葵の咲かない夏』。これが、けっこう盛り上がった。まあ、ウチの集まりはみんな…

『シャーロック・ホームズの世紀末』

シャーロック・ホームズの世紀末作者: 富山太佳夫出版社/メーカー: 青土社発売日: 1993/11メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (12件) を見る

『名探偵はなぜ時代から逃れられないのか』法月綸太郎

図書館から借りてきて、読み始めた。面白い。

ミステリマガジン

今月は「愛しのレイモンド・チャンドラー」特集。村上春樹訳の「ロング・グッドバイ」がちょっとだけ読める。小鷹信光氏が、一人称がどうなるのか気にされていた。まさか「僕」ではあるまい、とおっしゃっていたが、一抹の不安をぬぐえないようだった。「私…

ガボリオ・ガボレイ

東都書房の《世界推理小説大系》は1962年から65年にかけて出版された。名作や人気作を羅列しただけの全集と違い、欧米の推理小説史を俯瞰できるように編集された全集で、この種の大系全集としては、戦前の博文館の《世界探偵小説全集》(1929-30)と双璧をな…

『名探偵たちのユートピア』石上三登志

名探偵たちのユートピア (キイ・ライブラリー)作者: 石上三登志出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2007/01/30メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (23件) を見る

『ヴェサリウスの柩』

今年の鮎川哲也賞受賞作。読みました。 ヴェサリウスの柩作者: 麻見和史出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2006/09/30メディア: 単行本 クリック: 32回この商品を含むブログ (23件) を見る

『探偵小説と多元文化社会』

『探偵小説と多元文化社会』別府恵子編/英宝社1999年という本を読みかけ。 古い本だけど、19世紀のイギリスとアメリカの探偵小説の発生と発展がテーマになっている文が載っていたので、読んでみることにした。

『大学受験のための小説講義』石原千秋

とりあえず、メモだけ。 小説は実は形のない、得体の知れないものであって、僕たち読者はそれを「物語」に変形させて「小説を読んだ」気になっているのである。(中略) 「小説にはいくつもの可能性がびっしり詰まっているが、読者がそこから好みの物語を引…

『本格ミステリーを語ろう!/海外篇』

『本格ミステリーを語ろう![海外篇]』芦辺拓・有栖川有栖・小森健太朗・二階堂黎人(原書房/1999)を今さらながらに図書館で借りてきて読んだ。 今さらながらに読んだ理由は、二階堂黎人関連の興味である。彼が「ポーから現代に至る本格ミステリーの歴史」…

『アキハバラ@DEEP』石田衣良 文藝春秋

アキハバラ@DEEP (文春文庫)作者: 石田衣良出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/09/01メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (180件) を見る上の情報は文庫版だが、僕は図書館で借りた2004年発売の単行本で読んだ。石田衣良は好き…

『書店風雲録』田口久美子

書店風雲録作者: 田口久美子出版社/メーカー: 本の雑誌社発売日: 2003/12メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (31件) を見る ちょっと古い本。図書館でかりた。 1970年代から90年代のリブロについて書かれた本である。 僕は東西線…

『国語教科書の思想』石原千秋 ちくま新書

国語教科書の思想 (ちくま新書)作者: 石原千秋出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/10/04メディア: 新書購入: 6人 クリック: 42回この商品を含むブログ (101件) を見る 石原千秋は僕と同学年である。で、前から気になっている存在であった。以前、『秘伝 …